エアコンの風が弱い?

エアコンの風が弱い?

暑くなってきましたね。

この時期になると、ちょこちょこ多くなってくるのが空調関係のトラブルです。

午前中の定期業務を終わらせて一息ついていた時です。

待機している中央監視室に電話が入りました。

その電話は管理事務所(ビルを管理している会社)からで

「ホテルの○○室のエアコンの風が弱いらしいから、診てもらってもいい?」

という内容でした。

「嫌です。お断りします。」

なんて言えるはずもなく

(この管理事務所が管理しているビルの設備管理を、私の所属している会社は請け負っています)

いざ、現場確認へ。

風速が弱いということなので、アネモマスター(風速や温度を測定できる機器)を持って行きます。

ホテルフロントより部屋の鍵を借りて入室します。

これが部屋の天井にあるエアコンの吹き出し部分です。ガラリって言ったりもします。

ベットのところにエアコンの風速を切り換えるコントローラーがあります。

L(弱)

M(中)

H(強)と3段階の調整ができます。

では、風速を測ってみます。

測定器のセンサーを吹き出し部分にあてて

まずは「弱」を測定してみます。

2.00m/s(メートル毎秒)

次に、「中」。

2.97m/s

最後に「強」。

4.12m/s

風速、バッチリ出てます。

扇風機と比べると弱いですが、エアコンですので十分の風速です。

問題無しです。

それよりもエアコンを起動させた時に、風速よりも気になる事に気が付きました。

エアコン本体よりガリガリと異音がしています。

コントローラーで風速を弱、中、強と上げていくに比例して、異音の方も大きくなります。

実は問題なのは風速ではなくて異音の方ではないか?と思いました。

おそらくですが、私のいる中央監視室に連絡が入るまでの経緯を予想するに

①ベットメイク(清掃)をしている人が異音に気付く

②清掃の責任者にその旨の連絡が入る

③責任者からホテルフロントへ連絡が入る

④ホテルフロントから管理事務所へ連絡が入る

⑤管理事務所から私がいる中央監視室に連絡が入る

この過程のどこかで、「異音トラブル」が「風速トラブル」に変わってしまったのではないかと。勝手な予想ですが。

という事でここからは、異音トラブル対応にシフトチェンジします。

ちなみに、ホテルのエアコンは古いです。

製造年から今年で26年目です。

これは異音ぐらい、し出しますよね。

ですが、今年の頭からホテル階エアコン更新工事が始まっています。

ホテルは6フロアからなり、一番下にフロントや食堂等があり、その上5フロアが客室になっています。

更新工事は下のフロアから順に進行中です。

今回、異音トラブルを起こしている部屋は、もう少しで更新を迎えるのですが、保ちませんでした。

では、異音対応していきたいと思います。

エアコン本体は客室の天井裏にありますので、点検口から天井裏を覗きます。

エアコンのファン部分にアクセスできます。

音の発生源は、風を送るファンのベアリング部からでした。

経年劣化によるものでしょう。結構な音がしています。

うるさいですよね?

もしこのまま、この部屋を貸し出したとしたら、クレーム間違いなしですね。

応急処置としてベアリング部に注油してみます。

使用したのは有名なKUREの「5-56」ではなく、ベアリングの注油に最適なKUREの「プログリースDX」です。

ベアリング部はエアコンが起動している間、ずっと回転している訳で熱を持ちます。なので耐熱性のあるグリスでないと、すぐにグリス切れを起こすでしょう。

「5-56」は、チェーンとか錆びたボルト等に効果的です。

注油後、効果の程はどうでしょうか?

だいぶ静かになりました。

天井下ではもう気にならない程度に抑えられています。

このフロアのエアコン更新工事は、約2ヶ月後です。

それまで、定期的に注油してあげる事にします。

今回は注油にて異音を解決する事ができましたが今後、注油程度ではダメな機器が発生するとも限らないので、更新工事で既に取り外してある機器の中から、

比較的、状態のいい機器を予備として持っておく事にしました。

では、お疲れさまでした。