照明不点灯 調査

どーも、元旦の全館停電作業のせいで昼夜が逆転してしまった私です。
今は通常通りに生活のリズムを戻せています。
今回は全館停電作業後(復電後)に発生したトラブルについて紹介したいと思います。
復電後、共用通路の1部分の天井照明と案内看板の不点灯というトラブルが発生しました。
元旦の翌日から本日まで仮設照明を設置してやり過ごしていました。
まず、その天井照明と案内看板は同一回路でして、タイムスイッチで制御されています。
こちらです。

天井裏にボックスか転がっており、その中にタイムスイッチ、ブレーカー、マグネットがあります。
電圧があるかテスターで測定してみましたが、ありませんでした。(ブレーカーは落ちていません)
どうやら一次側の電源が問題のようです。この回路の一次側電源はEPS室にあります。
こちらです。

汚いですよね?
この分電盤は過去に水害に遭っています。上のフロアのトイレ更新工事の時に給水管が外れて下のフロアに大雨が降ったという事がありました。
運良くショートしなかったみたいですが、この有り様です。
そのタイミングでこの分電盤を更新して欲しかったのですが、未だにこのままです。
話を戻します。対象のブレーカーはONになっています。
OFFになってませんし、トリップもしていません。
このブレーカーは今の主流である2Pでは無く、1Pタイプです。昔のやつですね。(レア物かもしれません)
黒いブレーカーがL側で、下の黄色い摘まみがN側です。
どちらの摘まみもONになっています。
???
ブレーカーが入っているのに何故、電圧が出ないのでしょう?
何度もテスターで測定してみましたが、ブレーカーの二次側は電圧無しです。
一次側で測定してみす。
100V有ります!!
という事で、原因はこのブレーカーですね。
接点の接触不良によるものだと思います。
更新時期を超えているので劣化してるのだと思います。そこに、先の全館停電作業でブレーカーを触った時にトドメを刺してしまったんでしょう。(水害の影響もあるのかもしれません)
古い建物の設備には、このようなリスクがあるので大変です。
次に、L側とN側、どちらが原因なのでしょうか?
これを調査するには、この分電盤の主幹ブレーカーを落とせれば調べれるのですが、それはできません。
という事でブレーカーの交換をしてみます。と言ってもN側のブレーカーは交換できない(交換部品が無い)ので、取りあえずL側を代えてみます。
既存のブレーカーを取り外します


活線でやってますので慎重に行います。感電したくないので絶縁手袋を着用しています。

新しいブレーカーをはめ込みます。

最後に負荷側の電線を繋ぎ交換完了です。
早速、ブレーカーをONにして電圧測定してみます。
残念です。電圧無しです。
原因はN側のようです。
さて、どうしましょう。
一番簡単な方法を取ります。
他の回路のブレーカーに移設する事にしました。
7の回路(今回のトラブル回路)を1の回路に移設します。

7と1の電線を外し

差し込みコネクターでまとめて

1のブレーカーに移設完了です。
L側も移設します。

移設完了です。
ちなみに、この1の回路の電流値は7の回路を繋ぎ込む前は8Aでした。
さっそく現地の天井照明と案内看板が点灯したか確認したところ、ばっちり点灯していました。これにてトラブル解決です。
点灯確認後、再びEPS室に戻り電流値の確認をします。
17.5Aでした。ブレーカーが20Aですので一応範囲内ですね。照明がLEDに更新されてなかったらオーバーしていたと思います。
古い設備は更新してしまう方が良いのですが、それなりの費用がかかるのでオーナーさんは渋ります。
今回の様に、今ある物で何とかするしかありません。
ただ、大きなトラブルに発展する前に、更新して頂きたいですね。
それでは、お疲れ様でした。

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この分電盤は水損事故に遭っているそうですが、早急に全体を更新する(最善策)か、もしくはニュートラル端子を取替えた方が良いと思います。ニュートラル端子の№2.№4.№6.№8.には2回路分が接続されています。この手法には危険が潜んでいます。この写真から判断すると、赤相・黒相・青相・白(ニュートラル・接地相)の3相4線式の配電方式で、各相とニュートラル間の電圧105V、線間電圧は182Vになると思います。単相3線式200V/100Vでも同じ事なのですが、同じMCCBもしくは同じ相のMCCBからの回路の帰り線は一つのニュートラル端子に接続しても問題ないのですが、他相のMCCBからの回路の帰り線を一つのニュートラル端子に接続した場合に、ニュートラル端子で断線になると、2つの回路が直列になって、その回路に182Vの電圧が印加され、容量の小さい方の回路に大きい電圧が、容量の大きい方の回路に小さい電圧がかかる事になります。このアンバランス状態が大きくなると、一方が150V・一方が30Vのようになったと仮定すると、150Vが印可された回路の機器は焼損するか、ヒューズが入っていれば、切れて故障を免れるかもしれない、のどちらかになると思います。今回、すでにニュートラル端子の断線が発生しているので、他の端子も同様になるリスクが大きいです。私はこのアンバランスのケースになった状態に遭遇し、大変な思いをしました。入館工事業者はいろいろな人が工事します。ダブル接続が出来ればどのニュートラル端子でもいいやと安易に接続されると、後で大変な事になる可能性があると言うことになります。因みに「私」様が応急対応で施工された工事は妥当な工事だと思います。
引退設備保守員さん
コメントありがとうございますm(_ _)m
水損を受けた分電盤を何故、更新しなかったのか?
私も疑問に感じています。
分電盤更新の見積もりは上がっていますが、そこから先はオーナー判断です。(水道工事業者に賠償させてもいいと私は思いますが、、)
引退設備保守員さんの経験された「アンバランスのケース」とは中性線の欠損が起きたという事でしょうか?
そうだとしたら、欠損が起きた原因は何だったのですか?(経年劣化?施工不良?)
私はまだ、経験がないので教えて頂けると勉強になります。
「私」様へ
中性線の欠損が起きたと言うことです。原因はニュートラル端子の劣化(定格電流付近での長期使用による軽い発熱が長期間継続することで接触部の酸化が進行)して断線、その結果その端子を共用使用していた2回路が端子接続部分(断線していなければニュートラル端子の接続部分の対地電圧は0V)を通して直列に繋がった状態(ニュートラル端子の接続部分に対地電圧が数十V発生)となります。ニュートラル端子が正常か、どうかの判断は対地電圧が0Vになっているかが基準になります。
引退設備保守員さんへ
「定格電流付近での長期使用による発熱で酸化」
なるぼと、これは気をつけたいですね。
只でさえ分電盤が経年劣化してるので私の現場では尚更です。
私の現場では「分電盤点検」を月に1度行っています。
最近は、巡り合わせにより私自身が点検をしていません。
次回の点検ではこの事に着眼して点検してみます。
貴重なコメントありがとうございますm(_ _)m