絶縁測定 方法

絶縁測定 方法

どーも、ノートPCが壊れたので買い換えしました。痛い出費になってテンションが下がっている私です。

私の電気設備系の過去記事に、絶縁測定と言うワードが何回か出てます。なので今回は初心者の方向けに、絶縁測定の方法を紹介したいと思います。

私の現場で主に使用している測定器がこちらです。

絶縁測定器、通称メガーと呼ばれています。

テスターや他の測定器との見分け方は、

鰐口(ワニグチ)クリップがある事。

メモリ表示の単位が「MΩ」である事。

ぐらいですかね。日本語で分かりやすく「絶縁測定器」と明記されている測定器は見た事が無いので、見分けがつく様にしておくといいと思います。

この測定器は電圧レンジの選択が出来る仕様となってます。

  • 100V回路は125Vレンジ
  • 200V回路は250Vレンジ
  • 460V回路は500Vレンジ

に測定電圧を合わせて測定します。

測定時はスイッチを押します。

つまみを上げるとスイッチを押している状態を保持できます。

測定器自体の説明はこのぐらいですかね。

では、実際に測定してみましょう。

こちらの、雑排ポンプの制御盤で測定してみます。

測定の手順は

①回路電圧の確認

②ブレーカー断

③アースチェック

④測定

⑤再度アースチェック

⑥ブレーカー復旧

以上6項目です。それでは、ひとつずつ説明していきます。

①回路電圧の確認

まず、測定対象の回路電圧を調べます。ここを間違うと、ちゃんとした測定ができません。200V回路を125Vで測定すると弱いですし、逆に500Vだと強過ぎます。回路電圧と測定電圧をしっかりと合わせましょう。

テスターで回路電圧を測定します。

±20Vが許容範囲

この雑排ポンプの回路電圧は200Vです。

②ブレーカー断

絶縁測定は無電圧状態で測定します。なので、忘れない内にブレーカーをOFFにしてしまいましょう。初心者の頃は先輩に見られてるというプレッシャーからか、これを結構忘れがちです。測定器側の準備が整うと直ぐに測定してしまう傾向にあります。なので私は、早い段階(測定器の準備前)でのブレーカー断をお勧めします。

ブレーカー断、よし!(指差し呼称ってヤツです)

ちなみにブレーカーを切り忘れた状態(有電圧)で測定をすると、どうなるのでしょう?私はやった事がないのですが、やってしまった人に話を聞いたとこ、火花が出たそうです。気を付けましょう。

③アースチェック

測定器の準備をします。まず、アースを取らなければなりませんので、測定器のワニグチクリップを制御盤のアースに挟みます。

この制御盤は盤内左下にアース端子がありました。

これで、形上はアースが取れました。次に、このアースがちゃんと取れているか測定器で確認します。

ちょうどこの制御盤の横に水道の蛇口が有りましたので、そちらでチェックします。

測定針を蛇口に当てて測定器のスイッチを押します。この回路電圧は200Vなので、測定レンジを250Vに設定してます。

表示の目盛りにて確認します。

指示針が∞から0を指しました。アースチェック完了です。測定の準備が整いました。

またまたちなみに、良く初心者の方に同じ盤内でアースチェックする人を見受けます。

例えば

このような感じです。

私的には、これだとワニグチクリップと測定針を短絡させてる事と変わりないと思ってます。アースチェックは出来れば今回のような蛇口等の盤外で行いましょう。

蛇口以外ではこれらの様な

他の設備の固定金具で、チェックすると良いと思います。

ただ、都合良く近くにこれらのチェックポイントが無い場合も有ると思います。

そういう場合は、テスターを使って盤内のアースがちゃんと取れているかどうか調べる方法が有りますので紹介します。

まず、条件として有電圧回路を使います。テスターの針をひとつは有電圧回路のL側に当てて、もうひとつをアースに当てます。

こんな感じです。

200V出てます。

盤のアースが取れていると、この様に電圧が出ます。逆にアースが取れていないと電圧は出ません。それは、見せ掛けだけのアースという事です。

アースの確認ができないと、この絶縁測定はできません。下手すると測定したつもりになってしまいます。気を付けましょう。

④測定

アースチェックが終われば、測定できます。

測定する前に念のため、電圧が無いか確認します。電気は目に見えないので何があるか分かりません。念には念を。

検電器にて反応無し

確実な無電圧を確認したら、いよいよ測定です。

まずは、雑排ポンプNo1から

∞MΩ、全く問題無しです。

次にNo2です。

250Vラインの目盛りを見ます

写真じゃ見にくいかもですが、50MΩです。まあ、許容範囲です。

これで測定完了です。

またまたちなみにですが、この測定個所に関して注意すべき事があります。

これも、初心者の方によくあるのですが、今回の制御盤の様な電気回路で、ブレーカーの2次側で測定する人がいます。

赤丸の部分(写真はブレーカーを落とす前)

ここは、間違いです。

この回路はブレーカーと負荷(雑排ポンプ)の間にマグネットスイッチ

が組み込まれています。このマグネットスイッチは無電圧では、内部の接点が開いた状態ですので、ブレーカーの2次側で測定すると、「ブレーカーからマグネットスイッチまで」の電線の測定にしかなりません。本来測定したい負荷側(制御盤から雑排ポンプまで)を測定できません。

簡単な図面を載せときます

つまり測定したつもりになってしまいます。制御盤内のブレーカーからマグネットスイッチ間の測定をしたところで、大抵∞MΩだと思います。負荷側の絶縁が仮に悪かった場合、この事に気付けません。

マグネットスイッチの2次側で測定するのが正しいです。

測定箇所には十分注意しましょう。

⑤再度アースチェック

測定が終わると再度、アースチェックが必要です。これは、「アースが取れている状態で測定した」という確認作業です。測定中にアースのワニグチクリップが外れてしまう事も考えられますので。

⑥ブレーカー復旧

最後の1番大事な作業です。ここまでが絶縁測定です。(帰るまでが遠足的な)

これも、初心者の方によくありがちな事です。測定の方だけに意識がいってしまってブレーカーを戻し忘れます。当たり前ですが、ブレーカーを戻し忘れると本来起動しなければならない機器が動きません。トラブルクレームに発展しかねないので忘れずに戻しましょう。

復電よし!

ちなみに、私の現場で過去に、今は亡き(現場移動になった)前副責任者が汚水ポンプのブレーカーを戻し忘れて「汚水が溢れる」という事故を起こしました。

運悪く満水警報の電極棒の電線が端子ホルダーで腐食により断線してました。

私を含めた周りの設備員も汚水ポンプが長い間、起動していない事に気付けなかった責任はあるのですが、、、。

溢れた汚水をその日の勤務者で掃除する羽目になりました。(副責任者は休み)

この事からもブレーカーの戻し忘れにはくれぐれも注意しましょう。

これで、絶縁測定の方法は以上になります。

まあそもそも、絶縁測定の「理屈や仕組み」「測定結果の良し悪しの基準」を理解してないといけませんが、そこら辺は書物で調べれば知る事が出来ますので、各自でお願いします。

現場レベルでの測定方法を紹介しました。

では、お疲れ様です。

私が日々の業務で使用している検電器です。
長谷川電機 低圧用検電器 HTE-610Y

今使用しているメガーが壊れたら、次はこれにしたい。
HIOKI 5レンジ絶縁抵抗計 スイッチ付きリード IR405111

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