給湯ポンプ制御盤 故障警報 

給湯ポンプ制御盤 故障警報 

どーもm(_ _)m

寝過ぎて頭が重たい私です。

日中の業務を終え夜勤時間に突入し、今日も平和だなぁと思っていた時でした。

中央監視盤から警報が鳴ります。

何の警報か確認すると、「給湯ポンプ故障」の警報があがっています。

さっそく現地の制御盤へ向かいました。

こちらです。

確かに故障警報が出ています。

ブレーカーがトリップしたかなと思い、盤の中を確認してみます。

ブレーカーはトリップしていません。

となるとサーマルリレーのトリップかなと思い見てみると

トリップしています。

分かりにくいかもしれませんが、緑色の爪の様な物が奥に入り込んでいます。

正常な状態はこちらの様に

緑色の爪が表に出ています。

トリップした原因は何でしょうか?

このサーマルリレーがトリップする条件とは、設定した電流値以上の電流が流れるとトリップするようになっています。

給湯ポンプの方を見てみます。

この給湯ポンプは循環ポンプ(ラインポンプ)では無く、ボイラーと貯湯槽(ストレージタンク)の間にあるサーキュレーションポンプです。

貯湯槽の温度がある一定値を下回るとこのサーキュレーションポンプが自動起動し、ボイラーにお湯を循環させて貯湯槽の温度を保つようになっています。

なので、ラインポンプの様に24時間ずっと起動しているポンプではありません。

1時間に10分程度の頻度で起動します。

サーマルリレーがトリップする程の過電流が流れたのなら、ポンプ本体が熱を保っているはずと思い触ってみます。(恐る恐る)

全然熱くなってません。常温です。

勘のいい方や、この手のトラブルを経験している方は、私のここまでの説明でサーマルリレーがトリップした原因が解ると思いますが、私はまだこの時点で原因の特定ができませんでした。

ポンプ側を見てみても原因が解りませんでしたので、電気系を疑いました。

トリップしたサーマルリレーの2次側(負荷側)を絶縁測定してみます。

結果は問題なしです。

原因が解りませんが、何か一時的な事かなと考え、とりあえずサーマルリレーを復帰させます。

復帰方法はこちらです。

復帰させた後、手動でポンプを起動させてみて再度、サーマルリレーがトリップしないか確認してみました。

結果は、起動ボタンを押して3秒後に再びトリップしてしまいました。これは一時的な事ではなく、何かしらの原因があります。

ヤバい、、。原因が解りません。

こういったトラブルの原因特定が出来るか出来ないかで、技術員としての価値というか技量が問われます。

今回、トラブルが起きたポンプは2台中の1台でNo.2側です。なので原因不明のまま給湯ラインからNo.2のサーキュレーションポンプ、貯湯槽、ボイラーを切り離し、No.1側のみで運用する事も可能です。(あくまで一時的に。早急に原因特定と改修が必要です)

この様に1次対応は出来るので、最悪の状況(貯湯槽の温度低下により給湯ラインの温度も低下する事。出口温度で55℃を下回るとアウト)は回避できます。

ただ、原因不明のまま翌日に引き継ぐ事は、私の技術員としての自負に反します。

その日起きたトラブルの状態のみを翌日の人や上司に伝えるだけ人間の事を、私は技術員とは思っていません。

なので、何としても原因を突き止めなければなりません。

考えを巡らせます。

そもそもサーマルリレー本体の故障ではないか?

この予想は確信が持てません。何故なら、この制御盤は更新されてまだ1年ちょいしか経ってません。可能性は低いです。

もう1度、サーマルリレーの役割を考えます。設定値以上の電流が流れると機器(モーター)保護の為、トリップします。

つまり、普段よりも多くの電流が流れている状況です。

電流が大きくなるとは、負荷が大きい事を意味します。

ここまで考えが辿り着いて、ようやくピンときました。

原因は電気系ではなく、ポンプ側です。

ポンプとモーターを繋いでいる軸受けのカバーを外します。

この軸受けを手で回せるか確認します。(もちろん、ブレーカー断にて行います)

通常であれば、簡単にクルクル回るのですが、回す事ができません。

そうです!!サーマルリレートリップの原因はこの軸受けの固着です。

「固着した軸受けを回そうとする事により、設定値以上の電流が必要となり、トリップした」という事です。

よく考えれば直ぐに解りそうな原因でしたが、突き止めるまでに1時間程かかってしまいました。

設備員としてまだまだだなと痛感しましたがとりあえず、原因を特定できて良かったです。

ポンプとモーターを繋ぐ軸受けですが、回そうとしてみた感触からしてどうやら、ポンプ側が固着しているようです。モーター側は軸受けの遊び?の分、少し動きますがポンプ側は全く動きません。

これは、軸受けのボルトを外して、ポンプとモーターを切り離してしまえば解る事ですが、後はプロの業者に依頼したいと思います。

原因を特定できた事により、依頼する業者が明確になりました。(衛生関係の業者)

もし、サーマルリレー本体の故障(電気系の原因)としていたら電気業者を手配してしまってたと思います。

お門違いですね。

次に気になるのが「何故ポンプが固着したのか?」です。このポンプも約2年前に更新したばかりで、経年劣化は考え難いです。

毎朝、目視で確認してるのですが、グランドの滴下も通常通りでしたが、焼き付きを起こしたのでしょうか?

この事は後日、業者さんに教わりたいと思います。もしかしたら、メンテナンスに問題があるのかもしれません。

原因がわかり次第、別の記事でお伝えします。

最後に今回の一件で、サーマルリレーの重要性を知りました。もし、この回路にサーマルリレーが組み込まれてなかったら(セオリーに反するのでそれは無い事ですが)トラブルの被害がモーターにも及んだと思います。

固着したポンプを回そうとする事で、モーターに多大な電流が流れ続け、最終的にモーターが焼き付いてしまう事でしょう。

そうなると電気の短絡(ショート)なり漏電により主ブレーカーがトリップする事で、私達設備員はトラブルに気付くのでしょうが、もう既にモーターはお亡くなりになってます。

そうなると改修費用がかさみますね。

今回のトラブルは私にとって、とても良い経験となりました。経験は財産ですね。

では、お疲れ様です。

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