グリスアップしました。(難儀編)

グリスアップしました。(難儀編)

過去の記事「グリスアップしました。」にて作業した機器は空調機でして。空調機内部に入るだけでグリスアップをするベアリング部分にアクセスできました。

過去の記事では、1箇所のみ紹介しましたが、実はひとつのファンに対してグリスアップが必要な箇所は2箇所あります。

ひとつは前回紹介しましたファン側にあります。そしてもうひとつは、ベルト側です。

その空調機の造りによりますが、大抵は内部に入るだけでその2箇所にアクセスできるはずです。用意に作業できますね。

しかし、今回は「難儀編」です。

グリスアップ作業自体は同じなのですが、ベアリング部にアクセスするまでにひと苦労あります。

それをふたつ程、紹介したいと思います。

ひとつ目は外気送風ファンです。

外の新鮮な空気を建物内に取り込む為の送風機です。屋上の軒下に設置されていて、サイズは大きいです。丸い網の部分より外気を吸い込んで建物内に送ります。網は大きめのゴミがファンに吸われないようにする為のフィルター代わりです。

ファン側のグリスアップをするにはこの網が邪魔になります。

網を外す必要があります。

網は20箇所のボルトで固定されているので、そのボルトを外します。

ボルトの個数が多いのでインパクトドライバーを使います。

上部ボルト2箇所のみ外さず緩めるだけに留めます。網は、丸枠で挟まれているだけですので、枠を取り外してしまう必要はありません。

網を外す事ができました。

これで、ファン側のベアリング部分にアクセスできます。

グリスアップします。

終わったら、外した網を元に戻します。

取り外す作業よりも、取り付ける作業の方が大変でした。

一応、外す前に網を同じ位置に戻せるよう、記しを付けていたのですが、微妙にズレてしまったようです。

3箇所程、ボルトの通し穴を網が塞いでしまいます。

試行錯誤しましたがどうしても塞いでしまう箇所があったので、最終的にペンチで網を切断して、ボルトを通しました。

網を元に戻してファン側のグリスアップは完了です。

次はベルト側です。

ベルト側はファン側の反対側にあります。

安全の為にカバーが取り付けられていて、このカバーの内側にベルトがあります。隙間から覗くとベアリング部が見えます。

狭くてこのままでは作業ができません。カバーを完全に取り外す事ができればいいのですが、周りが広くないのとカバー自体が重たいのでリスクが高いです。

カバーを取り外すのは断念して、隙間を広げる事にしました。

カバーを固定してあるボルトです。

ボルトを取り外して、可能な限り広げます。

これで腕が入る程のスペースは確保できました。

作業しづらい事に変わりはないですが、何とかグリスアップできました。

作業終了後、カバーを元の位置に戻し、ボルトでしっかり固定して完了です。

この外気送風ファンは1号と2号、2台設置されているので、同じ作業をもう一度行います。

2人で作業して合計2時間程かかりました。外気送風ファンのグリスアップは完了です。

次に紹介したいのは、地下の給気ファンです。

外の新鮮な空気をフィルターを経由して地下フロアに供給しています。

こちらはベルト側からやっていきたいと思います。

ベルトカバーを外さなくてもグリスアップできそうですが、作業しやすいように外す事にします。

ボルト3箇所を外します。

外気送風ファンと比べると可愛いもんです。

外れました。ものによっては更に作業がし易いようにベルトも外したりしますが、これは必要ありません。

グリスに汚れが付着していますね。

ニップル部分も汚れで覆われています。

グリスを打つ前に清掃します。

拭き上げ後、グリスを投入します。

古いグリスを新しいグリスで押し出します。

押し出せましたね。

余分なグリスを綺麗に拭き上げしてベルト側は終了です。

次にファン側ですが、こちらはフィルター室の内部にあります。

点検口からフィルター室に入ります。

フィルター室内です。

このフィルターの裏側にファンがありますので、フィルターを取り外します。

取り外すと更に高性能フィルターがあります。蝶ねじ4点で固定されていますのでこちらも外します。

これで、ファンまでのルートができました。

こちらがファン側のベアリング部分です。

グリスを打ち込みます。

新しいグリスが出てきました。

余分なグリスを拭き上げます。

ファン側のグリスアップ終了です。

後は、外したフィルターとベルトカバーを元に戻して作業完了です。

今回紹介した2台とも、グリスアップするまでに一苦労ありました。

他にも、天井裏に設置されている排気ファンや、高所に設置されている給気ファンなど、作業に難儀するのがあります。

まあ、それも仕事の内なので仕方ないですね。

では、お疲れ様でした。