人災が起きました

どーもm(_ _)m
昔、仕事で重い物の搬入作業をしたときに腰を痛めた経験のある私です。
私が常駐しているビルにて人災が発生してしまいました。
我が社の設備員ではなく、ビルに出入りしている業者さんによるものですが、紹介したいと思います。
宿直明けの朝方(6:00頃)、警備より内線で連絡を受けました。
「業者作業員の人が倒れている」
えっ?何故?
病気か何かかな?と、疑問に思いながら急いで現地確認へ向かいます。
現場の光景を見てビックリしました。
その場所はオフィスフロア(地上階)で、テナント退去後の現状回復工事中の居室出入口扉の前です。(共用通路)
2名の作業員が倒れていました。
(呼びかけに応じず意識がないようだがグッタリとしてはなく、1人は頭に手を当てていて、もう1人は、両腕を伸ばしたまま床から少し浮かしている状態。呼吸はしている)
工事監督者と思われる人物が倒れている2人の側で、電話をしています。(おそらく関係者に連絡している)
工事監督者曰く、「4時頃作業員の方と一緒に休憩をし、その後、作業員は現場に戻り、監督者は車で待機していて、時間経過後、様子見のため現場へ行ってみると、倒れていた」とのこと。
作業員の身なりから塗装屋さんのようで、ガラス扉越しに見える居室内は養生がしっかりとされています。
それらの状況を見て「工事監督者が居室内で倒れている作業員2名を、共用通路まで運んだ」と思われ、倒れた原因は居室内で作業中に発生した「何かのガス」だと理解できました。(中毒によるもの)
工事監督者により、救急には連絡済みで救急車の到着待ちとのこと。
人名救助に関して私に出来ることは無さそうです。これは救急隊に任せるしかありません。
ではここで、私に出来る事は何なのか?考えます。(すべきこと)
「換気」です。
何か「中毒を起こすガス」が発生しているので、換気をする必要があります。
何のガスなのか気になるところですが、原因追求で居室に入る行為は危険です。
(現場監督者は危険を冒して居室内の2名を外まで運んだようです)
居室には入らず、換気に関する設備を起動する為に、監視室へ戻ります。
そのフロアの換気に関する設備は、『外調機、トイレ排気、湯沸かし室排気』となっています。(機械換気)
早朝で、まだ起動する時間帯ではありませんが、強制的に手動起動させました。
他にもそのフロアを換気する手段があります。
共用通路、両端に屋外非常階段への扉があります。その扉を開放すれば「自然換気」になります。
が、これがすんなり開放できません。
両端ともテナントさんが共用通路を潰してひとつの居室として使用しているので、非常階段の扉まで到達するのに、テナントに入室する必要があります。
当然、テナントの扉は鍵がかかっているので警備さんに言って開錠してもらわなければなりません。
通常、テナントさんの許可なく入室することは禁止されていますが、「緊急性がある」ということで無許可で開錠をお願いしました。(私個人の独断)
こうして、屋外へと通じる扉の開放が完了し、そのフロアで可能な限りの換気が整いました。
私がそのような換気作業をしている間に、救急隊が到着し、倒れた作業員2名は病院へと搬送されていました。
そして、救急隊と同時に消防隊と警察の方々も、当ビルへ駆けつけて来ました。
これにより、当ビルが更に「緊急事態化」し、ビル関係者である常駐警備と私達常駐設備員(私を含め宿直者2名)に緊張が走りました。
当ビル1F玄関(EVホール)に消防隊の方々が防災本部を設けました。(仮設の机を設置した)
そして、その消防隊の隊長と名乗る方から「このビルの設備システムを理解している方は誰ですか?」と質問されます。
私は当ビル設備員の副責で、その日の宿直者のオペレーションリーダーです。
なので、「私です。」と答えます。
すると、「このビルの設備的な事はあなたに聞いて大丈夫ですか?」と念押しされます。
内心「大丈夫だよな?」と自問自答しそうになりましたが、「はい!」と答えました。
ここから、消防隊の方による防災活動が始まります。
この続きはまた次回にします。
では、お疲れ様です。
今回の居室の現状回復工事は、元請けと業者間のみでやり取りがされており、私達常駐設備員はノータッチでした。
大まかに現状回復工事が行われている事は知っていましたが、「いつ何の作業をやるのか」等の工事の詳細(行程)は私達には入っていません。
もちろん、元請けからの立ち会いの指示もありませんでした。
深夜の仮眠時間帯であり別途、残業代が発生するので、元請け(設備マネージャー)は極力立ち会いを付けない。(別途費用が発生する立ち会いの指示は避ける傾向にある)
なので、その日のその時間帯に塗装作業をしている事すら知りませんでした。
元請けと仲のいい(ズブズブの)関係の業者は、作業開始の連絡を私達常駐設備員には基本的にしません。
今回の事故は、そのような背景があったことを説明しておきます。
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