ドレンパン排水管詰まり、貫通作業。

どーもm(_ _)m
「調査された内容が本当に正しいのか確認するために調査する」なんて手間が、我が現場から無くなる事を祈っている私です。
この記事は前回、「漏水調査の調査。」のつづきとなっています。
前回は漏水の原因究明後、その結果を元請けに報告し、一式で更新してくれるという甘い期待が当然の如く叶わなかったとこまででした。
その後、元請けより「詰まりを除去してくれ」と、予想通りの指示がされました。
ただ、私の見解としてはこの排水管詰まり除去は「激ムズ」だと感じています。
大抵、排水管が詰まった時は「何が詰まってる?」と、考えると思います。
他には、排水管の「どこで詰まってる?」といった事も考えますかね。
そして、詰まりの原因が「ゴミ」のような異物であれば、何とか除去できると思います。
今回の件で言えば、塵や埃(最悪、ゴキブリの死骸やネズミの腐敗物)のような物質であれば、除去できる可能性は高いかと。
しかし、今回の詰まりの原因はそれらのゴミではない気がします。
そう感じたのは、ドレンパンの内部を見た時です。
ドレンパンの素材はステンレスでして、ステンレスの表面は一般的に鏡のように平らです。
では、このドレンパンはというと、ゴツゴツした物質が、蓄積されてステンレスの表面を覆ってしまってます。
マイナスドライバーの先でこじってみても簡単には剥がれません。

少し、こじった跡がつく程度です。
かなり凝固された物質のようで、まるでセメントのような固さです。
そうです!
私の見解は、詰まりの原因は「セメント成分による物」だと考えています。
躯体からの漏水は

コンクリートセメントの成分を含んだ水でして、真水ではありません。
「鍾乳洞」をイメージしたらいいと思います。
成分に詳しくないですが、鍾乳洞では、何かを含んだ水滴が長時間、年月をかけて1箇所に蓄積されることにより巨大な「山?」を作りだします。
それと同じように、このドレンパンの排水管内にもセメント成分を含んだ水の蓄積により配管内に固形物を作りだしたのだと思います。
もしこの仮説が正しければ、この配管はセメントが詰まっている排水管となり、貫通作業は激ムズです。
という訳で、おそらくセメントが詰まってんじゃないかなぁ。と感じつつ、貫通作業を行ってみます。
まずは、排水管の全体を把握します。
周辺の点検口から、排水管の経路を追います。

ドレンパンから90℃エルボで横に振った先がこちらで

カップリングでジョイントされてて

さらに先に伸びて

ここが排水管の末端となってます。

最後はビニールホースで排水縦管(集合管)へ

といった経路となってました。
ドレンパンから排水縦管までの距離(横引きの距離)は約5mです。
それを踏まえた上で、貫通作業の方法はバキュームとウォーターラム(ガン打ち)のふたパターンを行いました。
排水管末端にバキュームを接続して吸ってみましたが、何も吸い込んでくれませんでした。ウォーターラムもドレンパン側から打ちましたが、ダメでした。貫通しません。
予想通りです。とりあえず、元請けからの指示なので実行したまでです。
ここで、もうひとつ調査すべきかなと思ったことがあります。
それは、セメントが詰まってるとしたらどこにどの程度、蓄積されているのか?です。
ウォーターラムを数発打ち込んでもびくともしないので、それなりの厚みになってると予想されますが、調査して明確にさせようと思います。
電気工事の配線作業で使用する「スチール」を使って調査します。

このスチールをドレンパン側と末端側にそれぞれ挿入していき、どの程度の距離、挿入できるか。で、詰まり箇所の特定と、その異物(セメント)の厚みを測ります。
まずはドレンパン側からです。

スチールは挿入後直ぐに、進まなくなりました。
入ったところまでを指で押さえ、外側で測ってみると、

20Aの塩ビ管から既に詰まってるようです。私はエルボの部分辺りかな?と予想してましたが、大分手前から詰まってました。
次は末端側からスチールを挿入します。

こちらからはスルスル入っていきます。
挿入後2m辺りで何かに引っかかりました。構わず押し込みます。すると引っかかりを抜けて入っていきました。おそらくカップリングの部分です。
その後すぐに、スチールは壁にぶつかり進まなくなりました。
末端からの挿入距離は「2m弱」ってとこです。
これにより詰まり箇所と異物の厚みが明らかになりました。
分かりやすく図面にしたのがこちらです。

閉塞距離は約3mです。これは酷い、、。
上記、排水管経路の写真で気づいたと思いますが、勾配がうまく取れてない部分があります。
そこにセメント成分を含んだ水が停滞し個化して閉塞してしまったと考えられます。
こうなってしまっては貫通作業でどうこうなるレベルの詰まりではないです。
排水管のやり替え工事が必要です。
さすがの元請けも、改修工事の方向で考えてくれることでしょう。
貫通作業で貫通できなかった旨と、この調査結果を元請けに報告します。
疲れたので今回はここまで。
では、お疲れ様でした。
次回につづく。
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