エアコンの風が出ていない

夕方の18:00頃にホテルから連絡が入りました。
「1123室と1126室のお客様からエアコンの風が出ていないと連絡があったので診てほしい」
との事でした。
私の管理しているホテル階、客室のエアコンはFCU(ファンコイルユニット)といって、家庭用のルームエアコンとは原理が異なります。
季節を夏で簡単に説明すれば
冷やした水が配管を通してファンコイル本体まで送られて来ます。冷やされた水がファンコイルで熱交換され、ファン(送風機)によって冷風が供給される。
という仕組みです。
解りにくいですかねぇ。例えるなら、扇風機の前に氷を置くと、風が冷たくなりますよね?そんな感じです。
今回のトラブルはそのファンコイルから風が出ていないと言う事です。しかも2部屋からです。
もしこれが1部屋からであったなら、ファンコイル本体の不具合を疑いますが、2部屋同時に不具合が起きると言うことは、ファンコイル本体の不具合では無さそうです。
予想としては電源ですね。ブレーカーが落ちてしまっているのだと思います。
さっそく、分電盤を確認しに向かいます。
やはりそうです、ブレーカーがトリップしてます。
このブレーカーには数部屋分のファンコイルがかかっています。なので、エアコンが効いていない部屋は2部屋だけではありません。
絶縁測定します。
良かったです。問題ありませんでした。
これがもし、絶縁が悪くブレーカーを戻せない状態であったなら、エアコンが使えない部屋が何部屋もあり、運悪くその部屋にチェックインしたお客様からのクレームの嵐になっていた可能性があります。
トリップしたブレーカーをONに戻します。
これで取りあえず、客室のエアコンが使えるようになりました。クレームは収まるでしょう。
ただ問題なのは
何故ブレーカーがトリップしたのか?
です。
原因解明の必要がありますので、まだチェックインされていない客室のファンコイルを調査してみます。
ホテルのフロントに入れる部屋を尋ねると、トリップしたブレーカーに係っている部屋の内、2部屋がまだチェックインされておらず入室できる。との事でしたので、取りあえずその2部屋のファンコイルを診てみる事にします。
ファンコイルは客室の天井裏に設置されています。
電気の接続部はこのファンコイル本体の上部にあります。
このような状態です。
次に、別の部屋です。
こちらは、端子カバーが付いていないので接続部である端子が埃まみれになっています。
おそらく今回入室できない部屋もこれと同じような状態なのだと思われます。
これを踏まえての私の推測ですが
「この端子に付着した埃が湿度の高い日に湿気を吸ってしまい、その結果漏電する。逆に、湿気が乾燥してしまえば絶縁は回復する」
というのが、今回のブレーカートリップの原因なのかもしれません。
埃の除去をしたいとこですが、通電していますので触れません。
なので今、私にできる事はここまでです。
このトラブルの対策は明日のチェックアウトの10:00以降に行うしかないのですが、私の勤務時間は8:30までなので翌日の人間に引き継ぎを行います。
引き継ぎ内容は
「トリップしたブレーカーに係っているファンコイル全部屋分の端子の埃の除去と、端子カバーが無い場所は絶縁テープによる保護」
です。
後日、引き継ぎをお願いした人間に確認をしたところ、端子の清掃と保護をしっかり行ってくれた様です。
それ以降、数日経過していますが今のところ、ブレーカートリップは再発していません。
やはり、トリップの原因は埃と湿気によるものだったのだと思われます。
今回のトラブルは運がいい事に、ブレーカーがトリップしてると気付いた時には絶縁は回復していたのですぐに復旧でき、大きなトラブル(クレームの嵐)には発展しませんでした。
常日頃からトラブルの元になりそうな事は対策をしておく(未然に防ぐ)事が大切ですね。
では、お疲れ様でした。
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